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卒部コメントvol.5 キックリーダー 細水一弥

 RAVENSに入部したきっかけは大学生活に刺激が欲しかったからです。高校時代は帰宅部で体も細かったため、入学当初は全く入部する気がありませんでした。アメフトは体が大きくて怖い人がやる競技だと思っていたのでビラ配りしている所を徹底的に避けて、RAVEN主催の新歓にも一切行きませんでした。4月末になり、何にも熱を注がない退屈な生活に嫌気がさし、今の自分を一新するためにも当時対極に位置していたRAVENSに4年間を捧げることにしました。
 引退して1ヵ月が経ちます。今この4年間を振り返ってみて、予想していたよりも大きな果実を得られたと心の底から思います。
 しかしながらこの4年間楽しいことが多かったという訳ではありません。苦しいことの方が圧倒的に多かったです。練習やミーティングでの心身の疲労、試合で失敗することへの恐怖心やストレス、嫌いな部員との付き合い等々数え切れないほどの苦悩がありました。
 しかし引退した今俯瞰してみると、その全てが貴重な経験です。喜怒哀楽の感情をこれほどまでに揺さぶるイベントは今後人生でないと思います。
 最後の1年間はキックリーダーを務めました。キックリーダーとして目標にしていたことの1つに「観ている人に楽しんでもらう」という事があります。
 アメフトを初めて観る人にも長年観ている人にも楽しんでもらうためには、基礎的な動き、個人技、サイン全ての点で高いレベルを目指す必要があります。細かなミスをしていてはいけないですし、練習時間が少ないことに妥協して簡単なサインを作っても面白みがないです。その分練習量を大幅に増やしたり、大量の難しいサインをすぐに覚えてもらったりと選手全員に負荷を負ってもらう形でシーズンを送ってきました。
 今年の3試合を振り返ってみてキックチームとして詰め切れなかったことは沢山ありますし後悔することも多いです。しかしながら日々の練習が実り試合で力を発揮出来たことも少なからずありました。特にリターンチームは誰かがミスをすればプレーが崩れる難しいサインでも、一人一人が役割を全うしてくれてTDやロングゲインに持っていくことができ、僕自身楽しくやりがいを感じるシーズンでした。
 後輩たちへ。今年はあらゆる面で支えてもらいました。運営面でも3回生が大事な役割を担ってくれて非常に助かりました。練習や試合では2,3回生全員が自分の頭を働かせて行動してくれたおかげで反省のミーティングで怒ることも一切なかったので例年1時間以上かかっていたミーティングも20分ちょっとで終わらすことができ大変ありがたかったです。新チームには能力の高い選手がたくさんいると思います。特に圧倒的なスピードと爆発力のある天才Re#27森分君、DBにしてRB以上の走力と器用さを兼ね備えた逸材#24平井君、そして学生日本一の飛距離と謙虚さを誇る一流K/Pの#98小林君を筆頭に全員で最強のキッキングチームを作りあげて甲子園まで勝ち上がって下さい。
 最後にはなりますが、社会人コーチの方々4年間ありがとうございました。特に矢野川HCには日頃から重要なご指摘を沢山頂きました。心から感謝致します。
 またOB,OG会、保護者の方々、ファンの皆様、全ての関係者の皆様、イレギュラーなシーズンで実際に試合を観て頂く機会は少なかったですが、日頃からのご支援、ご寄付、MIP投票、応援コメント等々一つ一つのサポートが選手スタッフの力になりました。来年も引き続きRAVENSを支えて頂きますようよろしくお願い致します。



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