87年12月3日。1部リーグ昇格をかけてRAVENSは長居球技場のフィールドに舞い降りた。相手は関西大学。ちょうど1年前、屈辱の敗北を喫した相手だった。
ここに至るまでの道のりは決して平坦なものではなく、入れ替え戦出場を決めるトーナメント準決勝の京都産業大学戦はピンチの連続の中、ぎりぎりの逆転勝ちで部員達はすでに満身創痍であった。
神戸大学オフェンスで始まった入れ替え戦だが、ファンブル。関西大学はそのシリーズでFGを決め、先制する。神戸大学のオプション攻撃はことごとく止められ、焦る気持ちから自陣で無謀なギャンブル、失敗、そして関西大学のTD。
しかし、続く第2QでDB#22宮崎がインターセプトをし、流れを変えた。QB#9柳からWR#6渋谷へのロングパスが決まる。逆転し、前半10対14で折り返す。
後半の勢いは完全にRAVENSのものだった。「5、4、3…」カウントダウンがこだまする。
関西大学最後の攻撃はロングパス。ボールはDB#24澤村の手に収まり、時計は0を示した。
フィールドの選手、応援団員、観客席の誰もが互いに抱き合い、喜び、泣いた。
35対10で神戸大学1部復帰。まさに「臥薪嘗胆」の1年だった。
(レイバンズ30周年記念誌より抜粋)