1部リーグで「一発やったろう!」という野望を抱き、我々がチームに求めたものは爆発力だった。3強に勝つには一筋縄ではいかない。だからこそ、失敗を承知でトレーニングや練習に新メニューを加えたり、オフェンス、ディフェンス、キッキングに新しい体系やサインを取り入れたりと、これまでにない取り組みを試みた。
失敗を恐れない、前向き、かつ大胆なチームを目指した。2部経験長かった分、常に挑戦者という気持ちを持ち、それまでくすぶっていた鬱憤を晴らそうとウズウズしていたので、チームがまとまるのは簡単なように思えた。
しかし、春の練習や試合では罵声や怒号が飛び交い、結果として反省点しか出てこない。思うようにプレーできないもどかしさ、先輩達が託した想い…目には見えない様々なプレッシャーが襲い掛かった。その重圧に押しつぶされそうになりながらも、現実の世界から眼をそらすことはなかった。
現実の世界には、同じ「志」で、立てなくなるまで走り続け、声が出なくなるまで叫び続け、身も心もボロボロになりながらも不屈の闘志で前進し続ける仲間の姿があった。それこそが爆発力のあるチームの原動力だった。
立命館大学戦に敗北を喫し、迎えた京都大学戦で、その不屈の闘志は実を結んだ。オフェンスの多彩なプレー、7度にわたるディフェンスのターンオーバー。京都大学に勝利した瞬間、爆発力のあるチームがそこにあった。
1部に復帰して1年目の97年シーズンは、3勝4敗同率4位で幕を閉じた。
(レイバンズ30周年記念誌より抜粋)