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卒部コメントvol.5 キックリーダー 小倉京眞

 入部のきっかけは実はよく覚えていません。タッチフット大会でMVPをいただいたことだったかもしれませんし、新歓試合だったかもしれません。新歓での先輩方の勢いで入部を決めました。最初の1年間は基礎をたたき込む1年間でした。フィールドでプレーする時間と同じくらいをトレ室で過ごし、練習参加のための規定値を達成することだけを考えて過ごす日々でした。2回生になる頃には最低限の数値も上がるようになり、いよいよアメフトができるという環境が整いました。しかしチームは21年ぶりに2部降格となりました。入部時には甲子園ボウルを目指していると聞いていたものですから、少し戸惑いました。それでも初めてスタイルして臨む試合は何もかもが新鮮で、してはいけないミスも多くしましたが楽しくて仕方がありませんでした。シーズン途中からはスターターを任せていただけるようになり徐々にミスへの責任感を覚えていきました。3回生になると下宿させていただいたこともありアメフトにかける時間がかなり増えました。そして初めての1部リーグ。2部とは比べものにならないレベル、熱量を感じました。1部リーグはやはり特別でした。3回生では廣常さんをはじめとする先輩方に支えられのびのびプレーすることができたと思います。しかし4回生になるとチームを背負うことの難しさに悩まされました。たくさんの人とぶつかり合い、たくさんの人に支えられた1年だったと思います。ちょうど1年前にたてた目標は日本一。しかし結果は5勝2敗。目標には及ばず。気づけば40人近くいた同期は半分以下になり、僕も引退コメントを書くようになってしまいました。

 最後の1年はキックリーダーを務めさせていただきました。キックはヤードが大きく動くプレーなので非常に大事なパートであると同時に、オフェンスディフェンスのメンバーが全員関わる複雑なパートでもありました。この1年間、トラブルなく進んだことはなく、常にどこかでアクシデントが発生している状態でした。それでもスペシャルチームが勝利に貢献すると喜びを感じ、考えたリターンサインが出るとやりがいを感じました。それらがモチベーションとなりました。また、前任の柳瀬さんや前々任の梅原さんにも支えていただき1年間戦い抜くことができました。競った試合ほどスペシャルチームの出来が勝敗に関係します。これからも磨き続けて関西一のスペシャルチームになってくれることを期待しています。

 後輩たちへ。たくさんのことを伝えてきました。時にはこうしろと強く言ったこともあったかもしれません。しかしもう日本一になれなかった僕の言葉に重みはありません。自分たちが日本一に近いと思う方を選択していってください。レイバンズは日本一になったことがないので、これまでの慣習を疑うことなく続けてしまうのは良くないと思います。時には部員同士でぶつかり合うこともあると思いますが、互いに互いの意見を尊重し合い良いものへと昇華させていってください。

 最後にはなりますがレイバンズOBOG会、後援会の皆様、ファンの皆様、保護者の皆様4年間ありがとうございました。特に今年は試合数も多く、試合会場も遠方のことが多かったにもかかわらず多くの方に足を運んでいただきました。また多くの寄付、差し入れもいただきました。僕たちが不自由なく活動できているのは皆様のお力添えがあってのことだと思っています。本当にありがとうございました。今後も日本一を目指して戦うレイバンズのためにご支援のほどよろしくお願いします。

2019年 キックリーダー 小倉京眞



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