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卒部コメントvol.3 オフェンスリーダー 法貴俊哉

 アメフトのことをよく知らず、長い受験勉強から解放され、華のキャンパスライフを送ることを決心していた自分が、なぜレイバンズというゴリゴリの体育会系に入ったのかは今でははっきりと覚えていません。ただシンプルに先輩方がかっこよかったというのもあるでしょうし、友達が入部していたということもあったかと思います。入部した理由などどうでもいいと思うほど、この4年間は密度の濃いものでした。
 2部からスタートした1年生でしたが、何が何でも1部に舞い戻るという先輩方の気迫に終始気圧されていた1年だったと記憶しています。練習では毎日怒号が飛び交い、入れ替え戦前のハドルでは当時のオフェンスリーダーが涙しながらメンバーを鼓舞している姿を見て、憧れよりもそれほどまで行動に移せるのは何故なのだろうという気持ちの方が大きかったと思います。その疑問の答えは入れ替え戦勝利後に、全員が号泣しながら喜んでいる姿を見て納得しました。自分も全てをかける価値があると決心しましたし、何もしていない自分がその場で泣けないことに無力感と悔しさを感じました。
 チームの勝利に貢献したいと意気込んでいた2、3年生でしたが、実力の伴わない2年間でした。面倒見のいい先輩に恵まれ、試合に出たいという気持ちは強く持っていたものの、どこか頼ってしまっている自分がいる、そんな中途半端な状態で最終学年を迎えました。
 オフェンスリーダーを務めた今年は不安と緊張感とイライラが常に頭の中に存在していた1年でした。自分の行動や言動が適切なのかいつも不安でしたし、うまくいかないことばかりで、リーダーとして常に前向きで、負の感情をコントロールして行動することに必死でした。そんな中で春シーズンを迎えようとした時に新型コロナウイルスによって部活ができなくなりました。対面での練習が約5ヶ月できない中で、とにかく前向きにチームが少しでも進むためにできることを探しました。本当に不恰好で頼りないリーダーでしたが、負の感情を抱えながらも、1年間前向きにもがき続けたことは1つ胸を張って言えることだと思います。
 現役のみんなへ。掲げた目標を達成できずに引退した人間が言えることとかないけど、この1年頼りないオフェンスリーダーに付いてきてくれたことは本当に感謝しています。遠いグラウンドまで何回も通って練習したこととか、不満が出てもおかしくないことでも、特別なシーズンと理解してしっかり取り組めたからここまでこれたと思います。これからも不利なことや理不尽なことと対峙しなければいけない場面はたくさんあると思うけど、その困難を乗り越えられるのがレイバンズというチームだと思います。応援しています。
 このような大変な状況下で、秋シーズン開催に尽力してくださった全ての関係者の方々には、感謝してもしきれません。また、社会人コーチの方々やオフェンスコーディネーターの二見さんは、僕たちと同じ目線で本気で関わってくださいました。特に今年、二見さんには本当にお世話になりました。大した取り柄もない平凡なQBでしたが、信じて使い続けてくれたことに感謝しています。今年は無観客試合で選手としても非常に寂しいものがありましたが、変わらぬ寄付やMIP投票などで応援されているという実感が確かにありました。レイバンズで過ごした4年間は間違いなくかけがえのないものでした。4年間、本当にありがとうございました。



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